月販売量6倍・1万㎡規模へ…大建工業、バイオマス由来床材で攻める
大建工業(大阪市北区、億田正則社長)は、バイオマス由来材料を用いた床材「バイオリーフ」の提案を強化する。公共・商業施設向け床材製品の一つ「コミュニケーションタフ」の全てを、バイオリーフシリーズに切り替える予定だ。1カ月当たりの販売量を2034年ごろに現状比6倍の1万平方メートル規模に引き上げる。環境負荷低減に寄与する高付加価値な製品群を増やし、市場拡大が期待される公共・商業施設分野で提案する。
大建工業は木材の空隙部に樹脂を流し込んで強度を高める「WPC」という独自加工技術を持つ。WPCを用いた公共・商業施設向け床材として、石油由来材料の使用量を約10%削減したバイオリーフシリーズを6月に発売した。「コミュニケーションタフ」「デザインタフジオラ」の2製品に、バイオリーフシリーズを追加する形で展開。公共・商業施設向けとして業界で初めて、日本有機資源協会のバイオマスマーク認定を取得した。
バイオリーフは三重工場(津市)で樹脂を流し込んだ後、子会社のダイフィット(鳥取県倉吉市)で表面塗装して生産する。その樹脂と塗料に、植物由来の原料を約10%配合するのが特徴だ。
三重工場では床材に使用するポリウレタン系接着剤を、水性接着剤に切り替える取り組みも推進。ポリウレタン系接着剤は、有害ガスの発生や消費電力量の多さなどが課題とされる。水性接着剤の使用拡大のため新設備を9月に稼働した。
また三重工場で使用する木材の9割超は、輸入植林木、国産針葉樹、中密度繊維板(MDF)などの非ラワン材。大建工業は、森林破壊の原因の一つとされるラワン材の使用を、50年にゼロへする目標を掲げる。その達成に向けて現在、インドネシアから別の樹種の植林木を輸入する検討を続けている。
大建工業は床材において国内販売シェア首位となる30%を持つ。床材生産の主力である三重工場を軸に、環境負荷軽減の取り組みを強化する考えだ。