ニュースイッチ

ドコモ・KDDI・ソフトバンク…携帯大手が “楽天包囲網”、相次ぎ30ギガプラン投入

携帯通信大手が相次ぎ月間データ容量を30ギガバイト(ギガは10億)に増やした料金プランを投入している。NTTドコモが10月からオンライン専用ブランド「ahamo(アハモ)」のデータ容量を従来比10ギガバイト増の月30ギガバイトに増量。KDDIソフトバンクも11月から競合プランを打ち出した。通信の高速化や携帯端末の高機能化に伴うデータ利用量の拡大に対応する狙いだが、契約数を800万回線に伸ばした楽天モバイルへの顧客流出を防ぐ意図も垣間見える。(編集委員・水嶋真人)

ソフトバンクはオンライン専用ブランドLINEMO(ラインモ)の「ベストプランV」で11月1日から、契約の翌月からずっと月額2970円(消費税込み)でデータ容量30ギガバイトを利用可能にする。従来、月20ギガバイトまでの利用で2970円だった。10月から6カ月限定で月30ギガバイトに増量したキャンペーンをてこ入れした格好だ。

ドコモのアハモと同じデータ容量、同料金だ。KDDIはUQモバイルで月間データ容量を30ギガバイトに増量した10分以内の国内通話かけ放題付きの料金プラン「コミコミプラン+(プラス)」の提供を11月12日に始めると発表していた。

携帯大手3社が新プランで意識するのは楽天モバイルの「最強プラン」だ。家族や学生、子ども、シニア向けの割引プランや共通ポイント「楽天ポイント」を用いた販促で契約獲得の勢いが増し、“楽天包囲網”を形成せざるを得なくなったと言える。この包囲網が今後の楽天モバイルの契約数に与える影響も注視する必要がある。

日刊工業新聞 2024年10月28日

編集部のおすすめ