空気充填いらないタイヤ…「グリーンスローモビリティー」で社会実装へ
ブリヂストン、自治体に提案
ブリヂストンは空気充填が不要なタイヤ「エアフリー」を自治体向けに提案する。24日、都内で自治体関係者向けの説明・試乗会を初開催した。低速で公道を走行可能な小型電動車を活用した移動サービス「グリーンスローモビリティー」を用途の一つとして想定。2026年の社会実装を目指して実証、開発を進める。
エアフリーは空気の代わりに熱可塑性樹脂製の部材(スポーク)で荷重を支える。接地面(トレッド)のゴムとスポークで構成するシンプルな構造が特徴で、ゴムの交換や原料へのリサイクルがしやすい。
グリーンスローモビリティーは時速20キロメートル未満で静かに走行でき、地元の住民や観光客の短距離移動手段として期待される。山間部や整備されていない道での使用も多く、パンクの心配がなく、環境にも配慮したエアフリーとの親和性が高い。
説明会には同モビリティーを実証中または導入している滋賀県東近江市や富山市など4自治体が参加した。同社は08年にエアフリーの研究開発に着手。24年3月に東京都小平市を中心としたエリアで公道実証を開始した。
同社の太田正樹新モビリティビジネス推進部長は「公道実証のエリアを市街地から山間部に広げて技術を鍛えながら、パートナーを探索していく」と展望を示した。
日刊工業新聞 2024年10月25日