日本にも大型設備投資…世界3位の台湾社、300ミリウエハー増強
DC・AI需要に対応
シリコンウエハー製造で世界3位の台湾・環球晶円(グローバルウェーハズ)グループは、アメリカやイタリア、日本などで直径300ミリメートルシリコンウエハーの生産能力を高める。工場の新設や拡張により、データセンター向けなど大口径ウエハーの需要に応える。
アメリカではテキサス州に工場を新設し、2025年に生産を開始する予定。生産開始後に装置搬入や顧客認定を経て本格稼働させ、最終的に月産1200万枚を計画する。ミズーリ州にある工場は拡張し、生産能力を高める。投資額は合計で40億ドル(約6000億円)。
イタリア・ノバラでも工場を拡張し、25年の生産開始を予定する。投資額は4億ユーロ(約650億円)。ほかにも、アジアでは台湾、韓国で既存工場の設備投資を行う。
国内はグループ会社のエム・イー・エム・シー宇都宮工場(宇都宮市)で4号棟を新設し、2023年11月に稼働した。延べ床面積は約1万5100平方メートル。合わせて1号棟を解体、2号棟は刷新した。
2号、4号の両棟には天井走行式無人搬送車(OHT)を新規導入するなど生産効率を向上した。生産能力は「およそ1・5倍程度になった」(グローバルウェーハズ・ジャパンの神足勝昭社長)という。
シリコンウエハー市場は在庫調整の影響が続いているが、300ミリウエハーの需要はデータセンターや生成人工知能(AI)向けを中心に回復しつつある。神足社長は「マーケットの立ち上がりに合わせ、稼働率を上げる」と意気込む。
日刊工業新聞 2024年10月25日