遅延10分の1…建機・農機の自動運転支える、AI画像認識ユニットの新製品
ネクスティが開発
ネクスティエレクトロニクス(東京都港区、柿原安博社長)は、建設機械や農業機械向けに、人工知能(AI)による画像認識を行う電子制御ユニット(ECU)の新製品を開発、販売を開始した。従来製品と比べ、レイテンシー(遅延)を10分の1まで減らした。米エヌビディアの産業機器向けの画像処理半導体(GPU)とカメラなどを利用して自動運転を実現する。屋外で使用される建機や農機に搭載するため、防水・防塵性も高めながら、これまでよりも高速な計算能力を実現した。
ネクスティエレクトロニクスのレファレンスデザイン(参照設計)のECUをベースにして、メーカーごとのカスタマイズをすることができる。画像認識に必要なカメラやセンサーなども一体で提案する。また、操縦者が操作しやすいようにイグニッションと連動してシステムを動かす。最終的には条件付自動運転の「レベル3」の実現を想定する。
自動車同様に、建機や農機でも自動運転技術の開発が進む。一方、自動運転ではAIを動作させるコンピューターが不可欠。建機や農機は過酷な環境でも動作する堅ろう性を備えたコンピューターが求められている。ネクスティエレクトロニクスは計算能力と堅ろう性を備えた今回の製品で、建機や農機での自動運転のニーズを開拓する。
日刊工業新聞 2024年10月22日