「先端技術者」に負担感、長時間労働が一因に
政府、過労死白書閣議決定
政府は2024年版の「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。デジタル変革(DX)や人工知能(AI)などに携わる技術者や研究者は、他分野に比べ労働時間が長く業務への負担感を抱いている実態が明らかになった。
調査はDXなどの「先端技術担当者」として従事する808人と、これら担当者を配する423事業場を対象に実施。23年12年から24年1月までの状況について回答を得た。
週当たりの労働時間が「60時間以上」の就業者の割合は、先端技術担当者全体では5・4%で、非先端担当者全体の4・0%を上回った。「うつ・不安障害の疑い」と「重度のうつ・不安障害の疑い」を合わせた割合も先端技術担当者の34%に対し、非担当者は26・6%だった。負担感の背景には、技術の習得に時間がかかることや通常業務との両立が求められる実態があるとみられる。業務効率化や自社の競争優位性確保への期待が高まる先端技術だが、特定の人材に負荷が偏重しない配慮が求められる。
日刊工業新聞 2024年10月14日