12m昇降…フランス産業界初のユニコーンが日本で攻勢、「3D搬送ロボ」の実力
仏ユニコーン、日本で攻勢
エグゾテック日本(東京都港区、立脇竜社長)は、2015年にフランスで起業したエグゾテック(ノール県リール)の日本法人。同社は22年に時価評価額1億ドルを突破したフランス産業界初のユニコーンだ。17年に自社開発した倉庫内にロボットを配置して作業員に商品を届ける3次元(3D)自動搬送ロボット「Skypod(スカイポッド)」システムを稼働。23年には東京都江東区に「東京デモセンター」を開設し、拡販に取り組んでいる。
スカイポッドは専用の保管ラック間をロボットが自律走行しながら昇降し、スタッカークレーンを使うことなく高効率の立体自動収納を実現する。
ロボットが取り出した商品を簡単にピッキングできるワークステーションや、需要に応じた高い拡張性を持つベルトコンベヤー、モジュラー設計のラックなどトータルソリューションの提供が可能。さらに倉庫制御ソフトウエア「Deepsky(ディープスカイ)」によるユーザーシステムとの接続などをサポートする。
23年に開設した東京デモセンターはロボット、専用ラック、ピッキングステーションなどを展示している。1月には奥行きのある棚にバケット二つを収めるダブルディープラックも設置し、スカイポッド本体の数を増やすなどセンターを刷新。顧客はシステムを導入した倉庫の環境を再現したスペースやメンテナンスなど同社のサービス、ソリューションを見ることができる。
10月には、同センターで体験型イベントも開催し、ピッキングや注文処理、360度動画による導入済み倉庫の疑似体験などを提供する予定だ。
9月に都内で開かれた「国際物流総合展2024」では、高さ7メートルのスカイポッドシステムを初出展。高さ7メートルのシステムは珍しく、来場者にインパクトを与えた。丹生孝正マーケティングディレクターは「日本の物流施設では階高が制約になりがちだが、専用保管ラックは最高12メートルに対応し、立体自動倉庫の収納効率が大幅に向上する」と説明する。
また、初めての企画として倉庫業務の関連システムを扱う住友商事、東芝テックと共同で出展した。住商は物流倉庫向けに業務可視化ツール「スマイルボードコネクト」、東芝テックは無線識別(RFID)製品「アールエフロジスパート」をそれぞれ披露した。
エグゾテック日本の立脇社長は共同出展について「多面的なソリューションによる倉庫業務のさらなる効率化で、訴求力を高めたい」と狙いを話す。(横浜・青柳一弘)