半導体デバイス向けダイヤウエハー大型化…イーディーピー、「1インチ」開発へ
イーディーピーは現状比約2・8倍となる25ミリメートル(1インチ)角の半導体デバイス向け単結晶ダイヤモンドウエハーを2024年度内に開発する。パワーデバイス用基板として高濃度のボロンをドーピングした13ミリメートル角の低抵抗基板なども開発した。ダイヤモンド基板・ウエハーの23年度の売上高は前年度比約3・6倍の2億2900万円に伸長した。24年度は23年度比2倍の5億円以上を見込んでおり、大型化した製品を追加することで25年度はさらなる売り上げ増を目指す。
イーディーピーの単結晶のダイヤモンドウエハーは現在、15ミリメートル角が最大だが、半導体デバイス開発には最低50ミリメートル角(2インチ)が必要といい、単結晶の大型化を進めている。25ミリメートル角のウエハー開発が完了後、25年度には25ミリメートル角のウエハーを四つつなげた50ミリメートル角のモザイクウエハーも開発する計画。
また、従来は7ミリメートル角までだったパワーデバイス開発用単結晶の低抵抗基板についても、15ミリメートル角の単結晶を用いた10ミリメートル角と13ミリメートル角、直径12・5ミリメートルの基板を発売し、製品ラインアップを拡充する。
ダイヤモンドウエハーは種結晶を気相成長させ、成長した結晶を電解エッチングで分離して作製する。ウエハーの大型化には種結晶の大型化が必須。種結晶の大型化は側面の気相成長を繰り返すが、種結晶が大きくなるほど成長の際に結晶欠陥が入りやすい。半導体デバイス向けに欠陥のない結晶を作るため、25ミリメートル角ウエハーの作製では、成長速度など条件を慎重に検討している。
イーディーピーはダイヤモンド基板・ウエハーを国内外の研究機関や企業向けに販売している。藤森直治社長は「ダイヤモンドデバイスの開発が活発になっている」とし、大型化に力を入れる。