「物流の2024年問題」解決へ…アルプスアルパイン、位置情報活用システムでトラック待機時間削減
アルプスアルパインは荷物を積み下ろす際に発生するトラックの待機時間を把握するシステムを開発する。位置情報を取得する部品を用い、待機時間と作業時間を区別し可視化する。トラック運転手の時間外労働の上限を規制する「物流の2024年問題」の解決に向け、待機時間の原因特定・短縮につなげる。既に試作品を完成させており、改良を重ね2025年4―6月の発売を計画する。システムは個別見積もり。幅広い業種の荷主に提案し、25年度は25拠点への導入を目指す。
トラックの運転席付近に、LPWAネットワーク「シグフォックス」や全地球測位システム(GPS)を用いた「物流トラッカー」を搭載し、トラックの位置情報を得る。パソコン(PC)やスマートフォン、タブレット端末などで情報を確認できる。
具体的には、荷物を積み下ろしするための空間「バース」を利用したトラックの台数や、バースごとの待機時間と作業時間をグラフにして示す。各トラックによるバースの利用時間帯も表せるほか、運送会社ごとの状況も可視化する。
待機時間と作業時間を区別するための方法は顧客の要望によって変えられる。例えば倉庫内のフォークリフトの稼働状況を取得してシステムに統合することで、待機と作業を区別する方法があるという。
国土交通省などのガイドラインによると発荷主事業者や着荷主事業者は、入荷にかかる荷待ち時間や荷役作業などにかかる時間を把握し、時間を2時間以内にすることが求められている。アルプスアルパインが開発するシステムは待機時間の把握に役立つ。
日刊工業新聞 2024年09月13日