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セブン-イレブン、パンにこだわります!小麦変更し製法も工夫

カフェとの「合わせ買い」狙う
セブン-イレブン、パンにこだわります!小麦変更し製法も工夫

原材料のほか、製造工程も一部見直した

 セブン―イレブン・ジャパンが入れ立てコーヒーであるセブンカフェの“経済圏”を拡大する。ドーナツ市場への参入に続いて強化を打ち出したのが「ペストリー(パン)」だ。生地の小麦粉を変更したり製造工程を見直したりして品質を改善、コーヒーとの相乗効果も引き出し売り上げアップを目指す。3月から北海道地区に”新ペストリー“を導入した。今後は全国展開に踏み切る見通し。同社単独で年930億円を売り上げるセブンカフェの“パートナー”探しに余念がない。

温度を一貫管理


 セブン―イレブン・ジャパンによると、2015年の1世帯当たりのコメへの支出額は、2万1869円で漸減傾向をたどっているという。これに対し、パンは2万9999円で漸増傾向。パンはコーヒーとの相性も良く、入れ立てコーヒーを強化する同社にとって「合わせ買い」の格好の商材でもある。

 そこで打ち出したのが、おかずパンや菓子パンの質的向上だ。石橋誠一郎取締役執行役員は「生地となる小麦粉を変更した」と説明する。1等粉相当以上のものだけを使用することとし「デニッシュ専用、コッペパン専用などと商品の特性に合わせ」小麦の種類を変更する。また、製造工程では、新しい生地に合わせ「こね上げの温度を調整する」など工夫を凝らす。

 パンは同社の専用工場で製造するため、製造から配送、販売までの温度を一貫管理し、品質を保持できる点が強みだ。乳化剤やイーストフードなどの副資材を使わず済むようにしていることも合わせ、トータルで質の改善を図る方針だ。

常に新商品


 すでに3月から北海道地区で、この新しいパンを導入している。改善前に比べ販売額、数量ともに1・3倍の伸び率を示しているという。

 今後は改善したパンを全国展開する見込みだが、15年度に8億5000万杯、年間約930億円の売り上げとなった入れ立てコーヒーとの相乗効果を見込むのは当然だ。

 このところ食品スーパーでも、店内にオーブンを設置し「焼きたてパン」を強化しているところも増えており、パン市場の争奪も業態を超えて激化している。同社は「毎日のように使ってもらうコンビニだから、飽きずに食べてもらえるよう、常に新商品を導入していかなくてはならない」と話す。

 パンの改善は、入れ立てコーヒーにも好影響をもたらすか。同社の入れ立てコーヒーを中心とした経済圏の拡大は続くことになりそうだ。
(文=森谷信雄)
日刊工業新聞2016年4月12日生活面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
ドーナツに続いてコーヒー経済圏を強化する格好です。コンビニは顧客一人当たりの買い上げ点数、買い上げ単価をいかに引き上げていくかが当面の課題です。「合わせ買い」「次いで買い」の促進がキーワードです。

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