高精度に位置測定…ミネベアミツミ、ドローンアンテナ参入
ミネベアミツミはアンテナ分野で飛行ロボット(ドローン)市場に参入する。ミネベアミツミグループのミツミ電機(東京都多摩市)の高精度全地球測位衛星システム(GNSS)アンテナが、東光鉄工(秋田県大館市)のドローンに採用される見通し。機体のアームにアンテナを搭載することで、ドローンの位置を精度良く把握する。近年、運搬や点検をはじめとした各種業務でドローンの活用に注目が集まる中、GNSSアンテナが安定飛行に貢献する。
東光鉄工はドローンなどの設計製作を手がける。ミツミ電機のアンテナを正式に採用する時期は未定ではあるものの、東光鉄工の持ち株会社である東光ホールディングス(HD、秋田県大館市)の伊藤均社長は「技術的な検証は終わっている」と話す。
採用予定のGNSSアンテナ「GPA―CS659」はL1やL2のほか、L6といった複数の信号を受信することができ、位置測定精度の高さが特徴。信号によって測定した位置と、実際の位置との誤差を数センチメートルに抑えるのに貢献する。
風力発電の点検や荷物の配送などでドローンの実証実験が進む中、ドローンの位置を高精度に測定するためのアンテナが求められている。こうした潮流を受け、ミツミ電機はGNSSアンテナの一段の小型化も視野に入れ、ドローン市場での採用拡大を目指す。
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日刊工業新聞 2024年08月23日