ポリウレタンの再利用容易に…東大、新触媒を開発
東京大学の岩﨑孝紀准教授と野崎京子教授らは、ポリウレタンの選択的分解触媒を開発した。ウレタン結合は反応性が低く、分解が難しい。新触媒はウレタン結合を切断してホルムアミドが生成する。ホルムアミドは反応性が高く、リサイクルしやすい。ウレタン素材のケミカルリサイクルに提案していく。
イリジウム触媒と水素を加えてウレタン結合をホルムアミドとアルコールに分解する。従来法はホルムアミドがさらに分解してアミンとメタノールが生成した。新触媒はホルムアミドで分解が止まるため、回収した分子を再利用しやすい。
ポリウレタンの製造時に混ざるウレア結合やイソシアヌレート環を分解すると、どちらもホルムアミドが生成された。ウレタン結合よりも反応性が高いエステル結合が混ざった場合はウレタン結合を優先して切断する。ポリエステルとポリウレタンの混合廃棄物はポリエステルを残してウレタンのみを分解回収できる。資源循環型社会の実現につなげる。
日刊工業新聞 2024年08月13日