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国内プラントに予防保全と予兆保全…KHネオケム、安定操業高度化

国内プラントに予防保全と予兆保全…KHネオケム、安定操業高度化

KHネオケムは予防保全と予兆保全を推進(増強が完了した冷凍機油原料の生産設備)

KHネオケムは国内プラントで、2026年をめどに予防保全と予兆保全を組み合わせた生産体制を整備する。生産設備ごとにリスクなどを捉えた保全の優先順位を付けるほか、システムやセンサーを活用した計画的な保全ができるようにする。同社はエアコンに使われる冷凍機油原料など世界シェアの高い化学製品を生産しており、重要視する安定操業の高度化につなげる。

KHネオケムは設備ごとに、停止した時の自社と顧客への影響などリスクを想定して保全の優先順位を付ける予防保全を進める。近年の定期修理で改善しながら取り組んでおり、26年の定期修理でおおむね主なプラントで実施できるとみる。

センサーや予兆診断システムなどを活用して設備トラブルの兆候を捉え、計画的な予兆保全にも取り組む。温度や圧力などをビッグデータ化。24年後半にかけて優先順位の高いプラントでの予兆検知に取り組み、結果を踏まえて25年後半には範囲を広げる考えだ。センサー導入の設備投資については、24、25年で「それぞれ数千万円程度」(浜本真矢取締役常務執行役員)を見込む。

熟練作業者の勘やこつに頼っていた保全を、システムやセンサーを活用した予兆検知を可能にすることでより早い対処を可能にする。ノウハウの伝承にもつながると期待する。

KHネオケムは二酸化炭素(CO2)を原料としたオキソ反応をコア技術として生かし、冷凍機油原料などを手がける。千葉工場(千葉県市原市)で冷凍機油原料の生産設備の増強を7月に完了し、年産能力は従来比5割増となった。8月から順次製品を出荷する。

日刊工業新聞 2024年08月07日

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