シリコン太陽電池を高効率化、レーザーでナノドット構造形成に成功
大阪産業大学の草場光博教授と、東海大学の橋田昌樹教授、核融合科学研究所の坂上仁志名誉教授らの研究グループは、ナノ秒(ナノは10億分の1)紫外レーザーを用いてシリコン太陽電池の表面を加工し、先端約20ナノメートルのナノドット構造を形成することに成功した。シリコン太陽電池の高効率化が可能になる。これまで数十ナノメートル単位の微細構造形成は不可能とされてきたが、レーザーによる加工可能性が示された。
【新刊】素材技術で産業化に挑む-ペロブスカイト太陽電池現在シリコン太陽電池は、シリコン表面に1マイクロ―10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)のピラミッド構造を形成し、反射率を低減することで発電効率を高めている。これ以上の高効率化のためには数百ナノメートル以下の大きさの微細構造を形成する必要があったが、既存の研究にはシリコン太陽電池の反射率低減に最適なナノドット構造形成に関するものがなかった。
開発したレーザー加工技術はさまざまな固体に対し、短時間で大面積の構造形成が可能。太陽電池以外への応用も期待される。
日刊工業新聞 2024年08月08日