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佐藤工業が改良、「トンネル覆工システム」の効果

佐藤工業が改良、「トンネル覆工システム」の効果

自己充塡覆工構築システムで覆工したトンネル

低炭素コンクリ採用

佐藤工業は省力化と品質向上を実現する自社のトンネル施工技術「自己充塡覆工構築システム」に改良を加え、「俵山・豊田道路第1トンネル工事」(山口県)に導入した。覆工の未充填箇所がなく良好な表面状態を確認。バイブレーターを使用せず、配管切り替え作業も不要なため作業環境を大幅に改善できる。

同システムはスライドセントル下端の圧入口から自己充填コンクリートを圧入し、バイブレーターによる振動締め固め作業などを行わずに、トンネル天端までコンクリートを充填する技術。今回、一層の品質向上と自動化施工を図るためスライドセントルの設備・構造の追加変更を行ったほか、低炭素型自己充填コンクリートを採用した。

スライドセントルの設備・構造の改良では、コンクリートポンプにコンクリートの吐出量を自動制御する装置を導入。同装置と型枠面に設置した充填感知センサーを連動させ、左右均等なコンクリートの打ち込み高さの確保を自動化した。

また低炭素型自己充填コンクリートの採用では、二酸化炭素(CO2)排出量の少ないフライアッシュをセメントの一部に置き換え、配合の最適化を検討。一般的な覆工コンクリートと同程度の強度を確保した。

日刊工業新聞 2024年08月07日

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