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「お米家電」が快調なアイリスオーヤマ。その理由は?

家電事業部統括事業部長・石垣達也氏インタビュー
「お米家電」が快調なアイリスオーヤマ。その理由は?

多銘柄の炊き分け機能付き炊飯器の売り上げは好調

 アイリスオーヤマ(仙台市青葉区、大山健太郎社長、022・221・3400)はマイコン式の「銘柄炊きジャー炊飯器」で“お米家電”市場に参入、快調な販売が続いている。石垣達也家電事業部統括事業部長に、今後の製品展開などについて聞いた。

―“お米家電”市場への参入は昨秋ですが、その経緯は。

「2013年にグループ会社が精米事業に参入したが、おいしいコメを届けるだけでなく、おいしく食べていただくための家電を届けようと考えた。大阪のR&Dセンターで人材採用が進み、難易度が高い家電を作る力がつき、参入した」

―多銘柄のコメに合わせて最適な火力と時間を調整する炊き分け機能付きで値ごろ感のある価格、が売りです。

「当社製は、厚さ3・1ミリメートルの極圧火釜と大火力で釜を一気に加熱することで炊きムラのない炊飯ができる。マイコン式、31銘柄ごとに炊き分けられる機能付きで、参考価格(消費税抜き)は9800円だ。昨年11月の発売以来、売り上げは非常に好調で計画を上回る勢いだ」

―炊飯器以外の発売も計画していますか。

「炊飯器に限らず、コメをおいしく食べていただくための製品をトータルで手がけたい。精米機や炊飯器のラインアップ拡充も予定している。コメを買い、研ぎ、食べる。一連の行動の中に、おいしく食べるためのコツがある。例えば保管方法や研ぎ方がそうだ。生活者視点で、生活の不満を解決できるお米家電の開発に向けて、あらゆる試験をしている」
(仙台・森崎まき)
日刊工業新聞2016年4月8日 モノづくり面
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
大山健太郎社長の『米』事業に懸ける思いは熱い。先日の入社式でも、自社のビジネスチャンスに「家電」「発光ダイオード(LED)」「食品(米)」に掲げ、「日本の米の流通を変えることが当社の使命」と話すほど。家電事業では、内袋がなく、ホースのみで乾燥する布団乾燥機など、「なるほど」機能と手頃な価格の商品を次々市場に送り、存在感を増している。米の流通革命もさることながら、『米』×『家電』でどんな商品が生まれるのか。期待したい。 (日刊工業新聞社東北・北海道総局 森崎まき)

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