洋上風力、浮体式基礎量産へ…日立造・鹿島が技術開発
日立造船は5日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金事業における鹿島とのコンソーシアムで、浮体式洋上風力発電設備の基礎の新たな量産化技術を開発したと発表した。造船ドックに水を張った状態で分割ブロックを組み立て、排水後に溶接を行う新工法で、組み立て工程を従来より1割以上削減できる。
新工法の導入効果などにより、日立造船の堺工場(堺市西区)の製造能力は従来の年4基から20基程度に増やせる。
同コンソーシアムは、半潜水状態の浮体を使うセミサブ型の浮体式基礎の量産化を目指す。1月末から2月末まで堺工場で15メガワット(メガは100万)級の風車を搭載することを想定した基礎ブロックの接合試験を行い、新工法の水上接合工法が実現可能であることを確認した。
浮体式基礎の分割ブロックは、提携する造船・鉄鋼メーカーで製造し、堺工場で組み立てる予定。
日立造船などの企業連合は6月に、NEDOの愛知県田原市・豊橋市沖での浮体式洋上風力の実証事業に採択されている。
日刊工業新聞 2024年08月06日