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海流で発電する深海流速計、奈良先端大などが開発

海流で発電する深海流速計、奈良先端大などが開発

TENG技術に基づく深海流速センサーの基本構造と原理図(奈良先端科学技術大学院大学提供)

奈良先端科学技術大学院大学のヤリクン・ヤシャイラ准教授は中国科学院などと共同で、海流で発電する深海流速計を開発した。水深4531メートルで実測し有効性を確認した。多地点測定で深海の流れが明らかになれば、海洋生態系が吸収する二酸化炭素(CO2)やプラスチック汚染の評価などの基礎データとして利用できる。

摩擦電気ナノジェネレーター(TENG)という小型発電技術で流速を計りながら電力を確保した。TENGではフッ素樹脂を毛皮素材で擦り、生じた静電気を利用する。カップ式の回転体が水流に押されて回ると、磁気継手を介して密閉容器内のTENGが回転して発電する。

回転速度に応じて発電量が変化するため、計測と電力確保の両方がかなう。4500万パスカルの圧力に耐えるよう設計し、深海4531メートルでの実測に成功した。装置サイズは約20センチメートル。秒速0・02―6・69メートルの流速計測に対応できる。従来の超深海乱流計は数メートルと大きいが電池駆動で数時間しか計測できなかった。

日刊工業新聞 2024年08月05日

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