屋根設置面積4倍で負荷低減…カナメ、多雪地向け太陽光パネル金具投入
カナメ(宇都宮市、吉原正博社長)は、多雪地域に適したハゼ折板屋根用太陽光パネル取り付け金具を1日に発売する。雪の重みで屋根が破損するリスクを軽減するため、屋根との接地面積を従来製品の約4倍に広げた。金具の配置を工夫し、垂直積雪量最大270センチメートルに対応する。電気料金の高騰に伴う太陽光発電需要の広がりに応える。2024年度に5万個、25年度に15万個の販売を目指す。
10月1日に出荷を始める。価格はオープン。寸法は縦184ミリ×横105ミリ×高さ103ミリメートル。重量は中間部セットで1個630グラム。太陽光パネル1枚に6―10個使用する。販売に当たっては、施工業者に屋根破損リスクをより低減できる金具の配置を提案する。多雪地域のほぼ全域で設置が可能になるという。
従来製品は屋根との設置面積が小さく、積雪荷重が一点に集中する。そのため多雪地域では屋根を破損するリスクがあり、太陽光パネルの設置には屋根の補強やレール敷設が必要だった。天候による発電効率の悪さもあいまって費用対効果が望めず、多雪地域では太陽光パネルの設置が進みづらかった。
ただ、電気料金の高騰により、多雪地域でも自家消費目的での太陽光発電需要が顕在化。脱炭素機運の高まりも追い風となって、電気設備業者や太陽光パネル設置業者から耐積雪仕様品の引き合いが増えており、新製品を開発した。
日刊工業新聞 2024年08月01日