デンソーは最高更新・アイシンは減収減益…トヨタG主要部品7社の4―6月期、各社でまだら模様
トヨタ自動車グループの主要部品メーカー7社が31日発表した2024年4―6月期連結決算は各社でまだら模様となった。主要取引先であるトヨタの認証問題やリコール(無料の回収・修理)による減産の影響は4―6月期時点では軽微だったものの、中国をはじめアジアの市場環境が悪化し、収益を落とす要因となっている。対応力強化や合理化努力が奏功する企業もあれば、海外生産が進み為替の円安効果を得られない企業も出ている。
デンソーと豊田自動織機、豊田合成の3社は売上高と各利益段階で4―6月期としての最高を更新した。ジェイテクトとトヨタ紡織は売上高が過去最高となったものの減益を余儀なくされ、アイシンと愛知製鋼は減収減益だった。
デンソーはトヨタなどの稼働停止やアジアの販売不振の影響がある中、合理化や為替の円安効果で打ち返した。松井靖副社長は「稼ぐ力により収益は安定してきた」と語る。豊田自動織機は車両生産やフォークリフトをはじめとした産業車両が好調に推移。円安効果も寄与した。
アイシンは欧州で自動変速機(AT)が切り替え時期を迎えたため販売台数は減少したが、円安効果もあり、伊藤慎太郎副社長は「おおむね前年と同程度の水準」と想定内との認識を示した。
各社が不安視するのは中国の減速だ。24年4―6月期のアイシンの中国の営業利益は前年同期比23・6%減。伊藤副社長は「中国市場では外資を中心に苦戦している」と語る。トヨタ紡織も中国の営業利益が同57・1%減となり、岩森俊一取締役執行役員は「リスクを織り込んだが、さらに1段階、減産が続いている」と懸念する。
25年3月期連結業績予想はデンソーとトヨタ紡織が下方修正した。デンソーは24年4―6月期の業績が過去最高だったが「当初(計画)より下振れた」(松井副社長)と通期下方修正の背景を説明。ほか5社は通期予想を据え置いた。豊田自動織機の高木博康執行職は「決定的な環境変化があるわけではない」とした。
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