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背景に「見えないカーテン」…三菱電機が開発、特定領域だけ撮影できるセンサー技術

背景に「見えないカーテン」…三菱電機が開発、特定領域だけ撮影できるセンサー技術

開発したセンサー技術で人物や室内のマネキンなどを撮影

三菱電機は空間上に設定した特定領域に入った人や物体のみを検出するセンサー技術を開発した。センサーに用いるレーザーとカメラを同期させ、撮影する範囲をレーザー光で読み取り、同じ場所をカメラで同時に撮影する仕組みを採用。背景や領域の範囲外は検出しないよう「見えないカーテン」のように設定できる。誤動作の防止や取得データ量の低減を図れる。物流や製造現場の無人化支援のほか、侵入者検知などでの実用化を目指す。

開発した技術の実証では、センサーの前方60センチメートルから3メートルまでの領域を「見えないカーテン」のように設定し、それを4分割して人や物体を検知させた。線状のレーザー光によって撮影したい範囲を1秒間に約50回読み取り、さらにこれと同期したカメラで撮影する。カメラは信号を1ラインずつ読み取って処理するローリングシャッター式を用いた。

この性質をレーザー光の読み取りと同期させることで、範囲内の人や物体だけを撮影することを可能にした。例えば最初は手しか映っていなくても1歩前に進むと顔や腹部、脚部も撮影されているなどの利用ができる。

室内の背景を写さず、センサーの領域内に入った手だけを撮影

背景を撮影しないため、周囲の明るさの影響を受けにくく、暗いところでも使用できる。領域外の人や物体を撮影しないため、誤動作も抑えられる。また必要な情報しか取得しないため、処理が早い利点がある。

赤外光で距離を測定するTOF(タイム・オブ・フライト)カメラは背景光が入りやすく、屋外での使用は難しかった。屋外でも高精度に検知可能なステレオカメラなどがあるが、価格が高額だった。一方、今回開発したセンサーは10万円程度の安価な製品として実用化を進める。

今後、実用化に向けて他企業との提携などを模索する。具体的な利用方法では例えば製造現場に導入した場合、ロボットの動きに合わせて検出領域を変更することで、危険領域を必要以上に確保せずに済む。人とロボットが近づいて作業できるなど、作業効率の向上が期待できる。


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日刊工業新聞 2024年07月26日

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