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ローカル線で自動運転「レベル2.5」、東芝インフラがシステム開発

ローカル線で自動運転「レベル2.5」、東芝インフラがシステム開発

夜間の障害物検知実証

東芝インフラシステムズ(川崎市幸区、島田太郎社長)は、列車の先頭に運転免許を持たない係員が乗車して緊急停止操作などをする「自動化レベル2・5」に対応する自動運転システムを開発した。長野電鉄(長野市)と共同で取り組んだもので、2023年8月から7カ月間、同電鉄長野線の一部区間で実証試験を実施した。今後、同電鉄で自動運転の本格的な運用に取り組むとともにローカル線向けの自動運転システムの開発を進める。

今回の実証は夜間に線路を閉鎖した区間で実施した。システムは車両に設置した位置計測装置、前方検知用のステレオカメラ、高性能センサー「LiDAR(ライダー)」、画像処理および運転支援装置で構成される。

画像処理および運転支援装置が位置計測装置や速度計などのデータを基に自車の位置を高精度に測定・推定し、線路地図のデータベースと照合することにより、加速制御や停車制御を実施する。

実証では自動運転モードによって走行を開始し、加減速の制御や停車駅での停車制御などを実施した。また、線路上に障害物を設置した実証では、前方のステレオカメラが検知し、係員を模擬した運転士に光や音でブレーキ操作を促し、昼間や夜間でも200メートル先の障害物を見つけることができた。

今後、300メートル先の障害物検知の実現を目指していく。自動運転による列車運行が実現すれば、ローカル線の運転士不足などの課題に貢献できる。

日刊工業新聞 2024年7月24日

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