今後も「数字減る要素は見当たらない」…大・中型トラック販売、2年連続増加に寄与した車種
日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめた2024年上期(1―6月)の大型・中型トラック(登録車種「普通貨物車」から積載量1―2トンの台数を除いたもの)の販売台数は、前年同期比9・1%増の3万4268台で、暦年の上期として2年連続で前年実績を上回った。半導体不足などによる生産制約の状態から回復。業界関係者は今後も「数字が減る要素は見当たらない」と見通す。
企業別ではUDトラックスを除く3社が前年同期比で増加した。特に日野自動車は前年同期比36・0%増、三菱ふそうトラック・バスは同13・2%増と2ケタのプラスとなった。
日野自は認証不正の影響で出荷を止めていた大型トラック「プロフィア」について、23年2月に一部車種の出荷を再開。24年上期は同車種の販売がフルに寄与した。また、三菱ふそうは「(23年末に受注を開始した)新型の大型トラック『スーパーグレート』の販売が順調。加えて供給の安定化が前年同期比のプラスに表れている」と説明する。
6月単月では全体で前年同月比0・6%増の6167台と、5カ月連続で前年同月実績を上回った。架装メーカーの生産能力不足によるリードタイム長期化が24年初から課題となっていたが、現状は改善に向かっている。一方で「ノウハウが必要な架装設計は慢性的に人手不足」(業界関係者)の状態で、対策が必要となりそうだ。
日刊工業新聞 2024年07月22日