レゾナックがEV向け開発、「ディスクブレーキパッド」の性能
レゾナックは電気自動車(EV)向けに、ノンアスベスト系摩擦材の高性能ディスクブレーキパッドを開発した。EVに搭載する電動ブレーキシステムでの採用を狙い、高い制動力と耐摩耗性を実現できるとみる。欧州のティア1ブレーキシステムメーカーにサンプルを提供して適合性評価を進めており、2026年の量産化を目指す。
同ブレーキパッドは原材料にアスベスト(石綿)や鉄を含まず、ブレーキ時の摩耗が少ないため環境負荷が低く静粛性に優れる点が特徴だ。素材の特性を生かした配合の工夫などで、欧州で主流のロースチール系ブレーキパッドと同等レベルの高いブレーキ性能を発揮する。
また耐摩耗性では、WLTP走行モードを模擬したブレーキ台上評価において、摩耗粉の排出量を一般的な欧州ロースチール系ブレーキパッドの30%以下に抑えた。
脱炭素対応に伴うEVシフトの進展とともに、欧州では新たな環境規制が適用される見通し。ブレーキの摩耗による粉塵が規制の対象となることにも対応する。
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日刊工業新聞 2024年07月09日