ニュースイッチ

「物価高」「人手不足」急増…24年上期倒産は5000件に迫る、最多の業種は?

「物価高」「人手不足」急増…24年上期倒産は5000件に迫る、最多の業種は?

中小企業を取り巻く経営環境は厳しい(イメージ)

帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)がまとめた2024年上期(1―6月)の倒産件数は、TDBが前年同期比22・0%増の4887件、TSRが同22・0%増の4931件で、5000件に迫る水準となった。4000件超えは、ともに2年連続。為替の円安や資源高による物価上昇が影響した。求人難、人件費高騰などに伴う人手不足倒産も急増した。

1-6月の倒産件数

負債総額はTDBが同24・9%減の6810億1500万円、TSRが同22・8%減の7210億4200万円だった。前年同期に大型倒産があった反動が表れた。

TDBの業種別は、7業種のうち6業種で前年同期を上回った。件数は「サービス業」が最も多く、同28・2%増の1228件だった。TSRの産業別は10産業のうち9産業で前年同期を超えた。「サービス業他」が同19・8%増の1619件で最多だった。

資材価格の高騰や人手不足の影響を受け、「建設業」はTDBで同15・3%増の917件、TSRで同20・6%増の947件だった。

今後についてTDBは「急速な円安進行、力強さを欠く個人消費など下期も中小企業を取り巻く経営環境は厳しい。24年の企業倒産は1万件突破も視野に増加基調が続く」とみる。TSRも「資金需要が活発になる秋口以降、資金調達が困難な企業を中心に倒産が増える」と分析する。

6月単月の倒産件数は、TDBが前年同月比3・2%増の807件、TSRは同6・5%増の820件だった。前年同月を超えるのは、TDBで26カ月連続、TSRで27カ月連続となった。


【関連記事】 倒産寸前企業が頼りにする知られざる「育成所」
日刊工業新聞 2024年07月08日

編集部のおすすめ