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小泉元環境相と意見交換会も…「35年度めど温室ガス75%減」、JCLPが要望

小泉元環境相と意見交換会も…「35年度めど温室ガス75%減」、JCLPが要望

小泉氏

温暖化対策の強化を求める企業グループ、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は衆院議員の小泉進次郎元環境相を招き、経営者との意見交換会を開いた。小泉氏は出席した企業の個別の活動にも触れながら、「気候変動対策は経済成長のエンジン」と力強く語った。

JCLPから共同代表の山下良則リコー会長、今井雅則戸田建設会長をはじめ19社の社長や会長、役員が参加した。

小泉氏は再生可能エネルギーの導入によって、化石燃料のために海外に支払う15兆円を減らせると説明。個別企業にも脱炭素のメリットがあり、電気自動車(EV)を大量導入してガソリン代を大幅に削減した先進事例を紹介した。リース会社にも企業へのEVリースがビジネスになると力説し、「四方八方から脱炭素を前に進めたい。(国の施策で)何が効果があるのか、皆さんからお聞きしたい」と呼びかけた。

JCLPには244社が参加し、政策提言などを展開する。2035年度までに温室効果ガス(GHG)排出量を13年度比75%以上削減することを求めた提言を発表しており、小泉氏とも意見を交わした。

出典:日刊工業新聞2024年7月4日

35年度めど温室ガス75%減 JCLP、政府に要望

244社が参加する企業グループ、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は2日、温室効果ガス(GHG)排出量を2035年度までに13年度比75%以上削減する目標を設定するように求める提言を発表した。再生可能エネルギーの比率も60%以上に高めるように要望した。政府内で議論が始まった排出量削減の新目標や、第7次エネルギー基本計画への反映を目指す。

JCLPは企業への排出削減圧力が強まっており、脱炭素化の遅れが日本の産業基盤を損なうとして目標強化を求めた。深刻な気候災害を防ぐには、世界全体の排出量を19年比60%削減する必要があることが国際的な認識となっている。JCLPは日本が各国をリードするために「75%以上削減」を要請した。国が高い目標を掲げることで、企業も確信を持って脱炭素化に取り組めるとしている。

「75%以上削減」と「再生エネ比率60%以上」の実現のため、再生エネ、建物、自動車、製造業、カーボンプライシング(炭素の価格付け)の5部門についても具体策をまとめた。また、企業も政策決定の議論に加われるようにも求めた。

JCLPには富士通富士フイルムホールディングス(HD)、リコーなどのほか、アップルやアマゾン、グーグルといった米国企業も参加している。

出典:日刊工業新聞2024年7月3日

再生エネ導入、35年までに3倍 「RE100」が提言

日本企業87社が参加する国際組織「RE100」は25日、2035年までに国内の再生可能エネルギー導入量を22年比3倍の3億6300万キロワットに拡大するように要請する提言を発表した。実現のために、30年までに官民合計で最大18兆1000億円を再生エネ技術に投じるようにも訴えた。海外企業にとっても日本は再生エネの調達が難しい市場となっており、早期の改善を求めた。

RE100には、事業活動で使う電気全量の再生エネ化を目指す大企業432社が加盟する。日本からはアマダやリコー、積水ハウスパナソニックホールディングス(HD)、NEC、キリンHD、ソニーグループセイコーエプソンなどが参加する。政府内で議論が始まった第7次エネルギー基本計画に意見を反映させようと提言をまとめた。

提言では電力価格の透明化、洋上風力発電の開発手続きの迅速化、土地利用規制の見直し、再生エネ利用を証明する非化石証書を国際基準に合致させることも求めた。

RE100によると、全加盟企業の再生エネ比率は平均50%だが、日本で事業を展開している企業に限ると25%と低いという。要因として高コストや供給量の少なさを指摘した。

日刊工業新聞 2024年6月26日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
温室効果ガス削減の新しい目標をつくる議論が始まっており、企業からも「再生エネ強化」の声が次々にあがっています。エネルギーを使う立場からも議論に加わりたいという意見も多いです。アドボカシー活動が反映されてほしいです。

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