空飛ぶクルマ事業化機運高まる…スカイドライブとJR九州が連携
SkyDrive(スカイドライブ、愛知県豊田市、福沢知浩社長)とJR九州は4日、九州エリアで「空飛ぶクルマ」の事業化を目指す連携協定を結んだと発表した。JR九州が持つ鉄道駅などに空飛ぶクルマの離発着場所を設置してスムーズな移動を実現し、観光地への誘客や地方創生につなげる。
スカイドライブが開発中の電動垂直離着陸航空機(eVTOL)の社会実装に向けて両社で協力する。eVTOLは既存の航空機に比べ静音性が高いことなどが特徴で、離発着場所や運航ルートの選択肢を広げられる。JR九州の古宮洋二社長は、「空からは鉄道や船とは違う角度で九州の魅力を見ることができる」と期待する。
九州での商用運航の開始時期は未定だが、スカイドライブの福沢社長は「2026年以降に(日米で)機体の型式証明の取得を目指しており、順次商用運航を始める」と説明した。現在スカイドライブはスズキの協力を受けて、国内で機体の製造を開始している。
空飛ぶクルマをめぐっては、日本航空(JAL)と住友商事が運航会社を共同で設立し、ニデックが米開発会社に出資するなど、事業化への機運が高まっている。一方、25年大阪・関西万博での商用運航はスカイドライブを含む2陣営が断念した。福沢社長は「商用運航できないのは大変残念」とした上で、「大阪万博は空港以外を飛ぶ世界初の取り組み。最後発の我々がここまで進んだことを見せたい」とデモ飛行への意欲を語った。
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日刊工業新聞 2024年07月05日