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ロボット実機なしで自律移動学習、リコーなど手法開発

リコーの青木惇季研究員と山科亮太グループリーダー、九州大学の倉爪亮教授らは、ロボットの実機なしで自律移動を学習する手法を開発した。スマートフォンでロボットの走行ルートを撮影し、このデータから移動プログラムを作る。実験の平均進捗(しんちょく)率は88%だった。実機を持ち込む前にスマホで検証できるようになる。飛行ロボット(ドローン)や警備ロボなどの開発運用に提案していく。

スマホの撮影データから移動プログラムを作成

ロボットの代わりにスマホを持った人間が走行ルートを歩いて様子を撮影する。この画像からナーフという技術でルート周辺の3次元(3D)モデルを作成する。移動ロボットの動きを3Dモデル中でシミュレーションして動きと軌跡を学習させる。

実験では屋内のクランク状通路の走行を学習できるか検証した。すると移動平均進捗率は88%だった。毎回走行ルートを完走するわけではないが、学習データにない状態からも復帰し走行できた。実際にはロボットの障害物回避機能などと新技術を組み合わせるため成功率は担保できる。

移動ルートがある程度ぶれても許容される用途として施設警備やエンターテインメントなどが候補になる。指定ルート通りに走る正確性よりも、新しい走行ルートを追加する手間を軽減するニーズが大きい。スマホやウエアラブルカメラを身に着けて日々の業務を撮影しておき、このデータから移動プログラムを作成できるとロボットを運用しやすくなる。巡回などの“見せる警備”ではロボットが警備している姿を示すことが重要だった。現在は技術の概念実証(PoC)ができた段階。用途に合わせて確実性や機能を設計していく。

日刊工業新聞 2024年07月03日

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