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三井化学が成長戦略見直し、確立うかがう「第4の柱」

コア営業益は30年度2500億円堅持
三井化学が成長戦略見直し、確立うかがう「第4の柱」

石化関連の安定的な成長にはコア営業利益300億円が必要…と橋本社長

三井化学は2030年度に向けた成長戦略を見直す。カギを握るのが、ライフ&ヘルスケア・ソリューション事業と、石油化学関連を担うベーシック&グリーン・マテリアルズ(BGM)事業だ。ライフ&ヘルスケアは、オーラルケアの収益力強化などで再び成長軌道に乗せる。BGMは再編などで、まずコア営業利益300億円の達成を目指す。25年度としてきた全社のコア営業利益目標は27、28年度での達成を視野に入れつつ、30年度目標については当初の数値を維持したい考えだ。(山岸渉)

三井化学は長期経営計画「ビジョン2030」で30年度にコア営業利益目標2500億円を掲げており、25年度をめどとするコア営業利益目標2000億円は見直す方針を示している。11月に修正値などを公表する考えだが、橋本修社長は「(25年度目標は)2、3年遅れで推移させ、(30年度)目標の方向性は変えたくない」と語る。

ライフ&ヘルスケアの30年度コア営業利益目標は900億円で「元々アグレッシブな目標」(橋本社長)だ。再び成長軌道に乗せるためには、農業化学品とビジョンケアに次ぐ第3の柱として歯科材などオーラルケアの成長が欠かせない。

特に、グループ会社である独クルツァーの収益力強化が重要な施策の一つ。今後、注力領域に利益率の高い新製品を投入するほか、製造工程の合理化など構造改善に取り組む。

クルツァーのコア営業利益について、橋本社長は「現状は数十億の下の方くらいだが、26年度には100億円に近い数十億円まで高めたい」と意気込む。

併せて、整形外科材料などで第4の柱の確立もうかがう。米国市場の開拓やM&A(合併・買収)を含め、施策がうまくかみ合えば、25年度をめどとするコア営業利益目標650億円は2年ほど遅れで達成、30年度目標の達成も見えてくる。一方、BGMは24年度のコア営業損益を40億円の黒字(23年度は116億円の赤字)と見込む。事業の再構築や高機能ポリプロピレン(PP)の生産立ち上げ効果などで、26年度をめどにコア営業利益200億円への回復を見据える。

橋本社長は「自立して稼いだ資金を再投資に回し、安定的に成長していけることが重要。そのために(事業規模として)300億円が最低でも必要だ。なるべく早く実現したい」と強調する。

300億円達成のカギを握るのが、グリーン化対応を含めた石化再編の動向だ。例えば、エチレンプラントに関して西日本で旭化成三菱ケミカルグループと連携を検討するなど、石化再編の方向性や効果を見極めながら達成時期などを精査する 30年度のコア営業利益目標500億円の達成についても「再編の方向によってはまだあり得ると思う」(橋本社長)としている。


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日刊工業新聞 2024年07月02日

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