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半導体3D実装を開拓、東京エレクトロンが「レーザー剥離装置」投入へ

東京エレクトロン半導体を垂直方向に集積する3次元(3D)実装向けに、接合した2枚のシリコンウエハーに対し、上部のウエハーと集積回路をレーザーで剥離する技術を確立した。2024年にもレーザーによる剥離装置を市場投入する。半導体デバイスでは回路の微細化と同時に、3D実装の実用化が進む。従来工程では研削加工が必要だったが、レーザーによる剥離技術を採用することで歩留まりを高める。

3D実装は、それぞれ別のプロセスで作った半導体を貼り合わせて半導体デバイスとして実装する。すでに相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサーや3DNAND型フラッシュメモリーなど一部の半導体デバイスで実用化が進む。

実装する際、貼り合わせた上部のシリコンウエハーを研削して除去する必要がある。一方、半導体デバイスの高積層化が進むにつれ、研削加工の後に薄膜が剥がれるなど、歩留まりを低下させる懸念があった。

東京エレクトロンが市場投入する装置はレーザーを使い、上部のウエハーを除去する。研削加工よりもウエハーへのダメージを抑えることで、歩留まりの向上につなげる。研削加工時に必要だった純水の使用量も90%以上削減できる。従来よりも製造に必要な工程が減るため、コスト低減にもつながる。

また、同社はレーザーによって分離したウエハーを再利用する技術も開発している。近年の半導体製造では効率的な生産と環境負荷低減を両立する必要があるため、需要は高いと見込む。

同社はコータ・デベロッパー(塗布現像)やエッチングなどの前工程の装置で高いシェアを誇る。近年はウエハー同士を貼り合わせる「ウエハーボンディング装置」など、後工程の装置も市場投入済みだ。半導体デバイスの構造が複雑になる中、今後成長が期待される3D実装領域の開拓に向けて力を入れている。


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日刊工業新聞 2024年07月02日

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