ホンダが8年ぶり全面改良、新型「フリード」の性能
ホンダはコンパクトミニバン「フリード」の新型車を6月28日に発売した。8年ぶりの全面改良で3代目となる同新型車は、独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載したハイブリッド車(HV)とガソリン車を用意。HVの燃費性能は先代モデルに比べて2割程度向上した。消費税込みの価格はHVが285万7800円から、ガソリン車が250万8000円から。月間販売目標は6500台を計画している。
先代モデルで好評だった取り回しのしやすいボディーサイズを維持するため、e:HEV搭載による全長の拡大を45ミリメートルにとどめた。1列目のシート形状を工夫し、ウオークスルーや2列目シートへのアクセス性を向上するなど使い勝手を高めた。
日常向けのシンプルなデザインの「エアー」と、非日常向けの力強いデザインの「クロスター」の2タイプを設定。HVモデルは燃焼の高速化や摩擦の低減で走りの良さと燃費性能を両立した。燃費(WLTCモード)はエアーの前輪駆動モデルで1リットル当たり25・6キロメートルと、先代に比べて約2割向上した。
先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を全タイプに標準装備。フロントワイドビューカメラと前後八つのソナーセンサーを用いたシステムを採用し、安心・安全を追求した。
フリードは2008年に初代を発売し、16年に全面改良した。累計販売台数はシリーズで122万台に上る。同じカテゴリーにトヨタ自動車の「シエンタ」などがありシエンタも5月に一部改良している。ホンダ統合地域本部日本統括部の高倉記行統括部長は「フリードは幅広いライフステージの人にご愛用をいただいている。新型車で事業拡大につなげたい」としている。
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日刊工業新聞 2024年06月28日