太陽光に1000億円投資…三井住友FL、企業の再エネ需要取り込む
三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は2024―25年度の2年間で、太陽光発電所の新規開発や建設、取得などに1000億円規模の投資を実行する。傘下のSMFLみらいパートナーズ(東京都千代田区)が国内太陽光発電所の総設備容量を25年度末に23年度末比1・5倍の120万キロワットに引き上げる。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の潮流が広がる中、企業の再生可能エネルギーの需要を取り込む。
SMFLみらいパートナーズは太陽光発電事業への投資を拡大し、国内太陽光発電所の開発を加速する。大規模太陽光発電所(メガソーラー)の開発に適した場所の減少やメガソーラーの開発を規制する自治体の増加などを受け、規模を抑えた太陽光発電所の開発に軸足を移す。
特に注力するのが、特定の顧客に太陽光パネルで発電した電気を長期にわたって一定価格で直接販売するPPA(電力販売契約)モデル。25年度末に同モデルの総設備容量を足元の約2・5倍となる60万キロワットまで引き上げる。
内訳は、顧客の敷地内にある工場や店舗、物流施設の屋根などに太陽光パネルを置く「オンサイトPPA」で同2倍程度の20万キロワット、顧客の敷地外に太陽光パネルを設置する「オフサイトPPA」で同3倍程度の40万キロワットを想定する。
三井住友銀行(SMBC)グループの顧客網を生かして新規顧客を開拓する。企業には初期費用を抑えて再生エネの電力を購入できる利点を訴求する。
SMFLみらいパートナーズは、太陽光発電所開発を手がけるウエストホールディングス(HD)の子会社と協力し、オフサイトPPAを拡大してきた。PPAの総設備容量は国内トップクラスを誇る。今後、シェアを拡大することで価格競争力を高める。
【関連記事】 三井住友FGの知られざる稼ぎ頭
日刊工業新聞 2024年06月26日