コマツが開発、「岩塩・カリウム地下掘り掘削機」に応用する新技術
コマツは岩塩やカリウムの地下掘り掘削機を2024年内をめどに開発する。坑内掘りハードロックの岩盤掘削新工法と機械切削の新技術を応用。加えて、岩塩掘削時の人体への安全性などにも配慮して同社の電動化技術も盛り込む。岩塩は健康志向、カリウムは世界人口の増加に伴う農産物用肥料向けで高成長が見込める。両資源に適応した掘削機の開発、投入を通じて需要を取り込む。
コマツは21年に鉱山機械子会社のコマツマイニング(KMC)を通じて、ブラジル資源大手のヴァーレと、坑内掘りハードロックの岩盤掘削新工法と機械切削新技術の実現に向けた試験活用で提携済み。開発する掘削機は、コマツのダイナカット掘削機「MC51」をベースに、これらの工法や技術を組み込む。
MC51は岩盤を50ミリメートル以内の高精度で連続掘削でき、フル電動化システムにより排ガスがない。また、無線による遠隔操作と工程の自動化で、現場にオペレーターを配置せず安全に掘削できる。
岩塩は人の口に入る食品のため作動油や排ガスの汚染が許されず、コマツでは自社が得意とするハイブリッド駆動や電動化の技術を生かせるとみる。またディーゼルエンジンは排気に多額のコストがかかるため、「それを考えたら電動の方が安いという見方もできる」(小川啓之社長)としている。
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日刊工業新聞 2024年06月21日