マグネシウム合金を積層造形、三菱電機などが技術確立
三菱電機は13日、熊本大学、東邦金属、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同でマグネシウム合金の高精度な積層造形技術を確立したと発表した。材料となる金属ワイヤをレーザーで溶融して結合・堆積して造形する手法を用いた。軽量で高強度のマグネシウム合金の加工性を大幅に向上させることができる。宇宙ロケットや航空機、自動車などの産業分野へ応用を想定しており、軽量化で燃費向上などに貢献する。
一般的にマグネシウム合金は鋳造で加工されており、内部に空洞を持つような複雑な加工は不可能だった。また、金属3Dプリンターによる造形では燃焼しやすいマグネシウム合金を粉末材料として使えなかった。
4者では三菱電機の金属3Dプリンターを用い、熊本大が開発した耐熱マグネシウム合金を東邦金属がワイヤとして製造した。JAXAでのロケット材料としての性能評価では、従来のアルミ合金と比べて約20%の軽量化が見込めたという。
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日刊工業新聞 2024年06月14日