5月倒産1000件超…物価上昇・人手不足で10年以上ぶりの高水準
帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が10日発表した5月の倒産件数は、TDBが前年同月比46・4%増の1016件、TSRが同42・9%増の1009件だった。TDBは25カ月連続、TSRは26カ月連続で前年同月を超えた。倒産が1000件を超えるのはTDBで12年ぶり、TSRで10年10カ月ぶり。円安、資源高による物価上昇や人手不足などが影響した。実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)利用後の月の倒産は最多だった。
負債総額はTDBが同54・9%減の1260億9700万円、TSRが同50・9%減の1367億6900万円だった。
TDBの業種別は全7業種で前年同月を上回った。「サービス業」が同53・5%増の244件で、2000年以降で最多となった。TSRの産業別も全10産業で前年同月を上回った。
TSRは「コロナ関連支援が終了するタイミングで円安、物価高、人手不足がのしかかっている」とした上で「仕事を確保しても資金調達が難しい黒字倒産を交え、倒産が増勢をたどる可能性が高い」とみる。TDBは「業績回復が進む企業と経営悪化から抜け出せない企業の二極化が進む」と分析する。
日刊工業新聞 2024年06月11日