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スズキが9年5カ月ぶり栄冠…5月新車販売、「スペーシア」初の首位

スズキが9年5カ月ぶり栄冠…5月新車販売、「スペーシア」初の首位

昨年11月に全面刷新したスズキの「スペーシア」

認証不正、先行きに懸念

日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が6日発表した5月の車名別新車販売によると、スズキの軽自動車「スペーシア」が前年同月比91・9%増の1万5160台で初の首位となった。ホンダの軽「N―BOX(エヌボックス)」は2023年7月以来の2位に転落した。一方、3位のトヨタ自動車の小型車「ヤリス」は認証不正問題で「ヤリスクロス」の出荷を止めており、6月以降の販売台数への影響が懸念される。

スペーシアは23年11月に全面刷新。軽だけの順位では2年ぶりに首位となった。スズキとして全体での首位獲得は、14年12月に「ワゴンR」が首位となって以来、9年5カ月ぶりとなる。

軽乗用車ではハイトワゴン系車種の根強い人気が続いており、全体の上位10車種の中にスペーシアやN―BOX、ワゴンRのほか、ダイハツ工業の「タント」もランクイン。認証不正問題で出荷を停止していたタントは3月に出荷を再開し、5月の販売は前年同月比44・9%減ながら全体7位に食い込んだ。

N―BOXは首位を明け渡したが、同じホンダ車では3月発売の小型のクロスオーバースポーツ多目的車(SUV)「WR―V」や、同「VEZEL(ヴェゼル)」なども人気だった。

全体3位のヤリスは1万3538台中7514台(55・5%)がヤリスクロスだった。型式指定申請に関する不正問題を受け、トヨタは「カローラフィールダー」などの出荷も停止している。

23年度通年で全体7位だったトヨタのハイブリッド車(HV)「プリウス」は、4月にリコール(無料の回収・修理)を届け出た影響などもあり、5月の販売は同84・6%減の1422台と大幅減で上位30位圏外となった。

上位30車種ではトヨタの高級ミニバン「アルファード」が同3・9倍、ホンダのミニバン「ステップワゴン」が同2・8倍に伸びた。

日刊工業新聞 2024年06月07日

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