脱中国のモノづくり推進…ホシデン、20億円投資でベトナム増強
ホシデンはベトナム工場を増設し、アミューズメント関連製品と移動体通信関連製品の生産能力を引き上げる。現地法人の「ホシデンベトナム」(バグザン)に新工場棟の8号棟を着工しており、2025年夏ごろに完成予定。中国での生産拠点が3カ所に半減しているうえ、米国での関税対策で中国以外の生産拠点を増強する。設備投資額は20億円。
新工場棟の延べ床面積は2万4000平方メートル。具体的な生産能力は非公表だが、既存工場は倉庫も含めて約5万平方メートルあり、面積では約50%拡張する。屋上に太陽光発電パネルを設置し、二酸化炭素(CO2)排出量を年間700トン削減する見込み。
ホシデンはコネクターやスイッチなどの接続部品、タッチセンサーやスピーカーなどの変換部品、ブルートゥース関連などの無線部品などを手がける。
アミューズメント関連は主要顧客の在庫調整が23年度で終了したと推測し、24年度は23年度並みの需要を想定。24年4―6月期は当初想定より多めの受注が入っており、新製品も受注できればさらなるプラスが見込める。
移動体通信関連は主要顧客の新製品需要にけん引されて堅調に推移する見込み。
また、生産能力増強とは別にさらに10億円を投資し、生産設備の自動化を進めて生産効率を高める。
これまでもベトナム工場は、アミューズメント関連の主要顧客の動向に合わせて中国から生産を移管してきた。現在、経済安全保障が課題に挙がっており「ベトナムの拡張を軸に脱中国のモノづくりを進める」(古橋健士社長)として生産を強化する。
日刊工業新聞 2024年06月04日