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エアコン使わず快適、遮熱技術を集約した「健康住宅」の仕組み

日本遮熱、住宅試験棟を開設
エアコン使わず快適、遮熱技術を集約した「健康住宅」の仕組み

「遮熱健康住宅」の体感試験棟を開設

日本遮熱(栃木県足利市、野口修平社長)は自社の遮熱技術を集約した「遮熱健康住宅」の体感試験棟を本社近隣に開設した。赤外線などによる「輻射(ふくしゃ)熱」の出入りを抑制する遮熱技術の住宅向け展開を視野に入れる。気温35度Cの猛暑日もエアコンを使わず過ごせる住宅の実現を目指し、足利大学の協力で1年程度かけて性能を試験する。遮熱技術を体感できるモデルハウスとしても運用する。

屋根と外壁には、遮熱材を直貼りした金属製の外装材で二重構造にする「遮熱鋼板ラップ工法」を施した。内壁など屋内には内装遮熱材の「省エネクロス50」を施工した。夏は屋外から侵入する輻射熱をカット、冬は屋内から逃げる輻射熱をカットすることで、冷暖房に頼らず室内環境を快適に保つ。

試験的に、住宅の基礎に「屋外遮熱材」も整備した。基礎の周囲を遮熱材で覆い、床下の温度を地表と同等の14度Cで安定させる。夏と冬それぞれの室内温度との差により、冷暖房効果を生む。

日本遮熱は「暑さは気温と輻射熱の合算で決まる」(野口社長)との考えから、遮熱材や遮熱工法を研究開発してきた。遮熱材を製造販売するほか、施工に関わる加盟店を募り、工場など企業向け中心に技術を広めてきた。加盟店は現在550社程度。

野口社長は「エアコンを付けられない人や子ども、高齢者も安心して生活できる住宅を実現したい」と住宅向けでの展開に意欲を見せる。


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日刊工業新聞 2024年05月31日

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