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コスト3分の1以下想定…貴金属なしの水素製造用電極、豊田織機が市場投入へ

コスト3分の1以下想定…貴金属なしの水素製造用電極、豊田織機が市場投入へ

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豊田自動織機は30日、白金やコバルトなど希少で高価な金属を使用しない水素製造装置用電極を開発したと発表した。同社が2021年からハイブリッド車(HV)向けに量産する「バイポーラ型ニッケル水素電池」で培った材料や生産技術を応用。水素製造装置への搭載に向けて試作を重ね、装置メーカーやシステムメーカーのニーズに対応する。28年ごろの市場投入を目指す。

開発したのはアルカリ水電解式水素製造装置向けの電極。同装置はアルカリ水溶液に電極を介して電流を与えることで、水を酸素と水素に電気分解する。

開発した電極はニッケルを主成分とする独自設計の材料で構成する。白金やルテニウムといった貴金属やコバルトなど、原産地が特定の地域に偏る金属は使用しておらず、安定供給や金属価格上昇のリスク低減に寄与できるとみている。

性能面では貴金属やコバルトを使用した電極と同等の電解効率を実現しつつ、耐久性も高めることができた。開発品が完成すると、電極のコストを3分の1以下に抑えられると想定。アルカリ水電解式システムとしてのコストでは20%の低減を目指す。

国際エネルギー機関(IEA)によると、水と電気で水素を作り出す水素製造装置の市場は30年に22年比約130倍に拡大する見通し。同社は効率的で安定した水素製造技術の開発を進める。

日刊工業新聞 2024年05月31日

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