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学生の「代返」防ぐ…顔認証で出欠席管理、丸紅情報システムズが医療系大学に訴求

丸紅情報システムズは教室に備え付けたカメラで学生の顔を自動認識し、出欠席を管理するシステムを事業化する。現在主流のICカードによる出席管理に比べ、本人以外の学生による「代返」の防止や教職員の業務効率化、学生の手間軽減が期待できる。2024年度の販売開始を目指す。出席管理が重要な必修科目の多い医療系大学に訴求し、まずは初年度数校の受注を見込む。

日本歯科大学やNECソリューションイノベータ(東京都江東区)、クリネット(同武蔵野市)と共同で実証実験に取り組んでおり、関係者の認証に成功したという。24年度前期の授業から、実際に同大学の学生を対象にした実証実験も行う予定。

顔認証による出欠席管理システムにはNECソリューションイノベータの顔認証ソフトウエア「KAOATO」を活用。教室に備え付けたカメラが学生の顔を自動認識し、事前に登録していた顔写真データベースと突合して出欠席を確認する。カメラを使った顔認証システムはクリネットがビジネスモデル特許を取得しており、同形式の出欠席管理は珍しいという。

同大学の授業での実証実験では155人の教室にカメラ3台を設置する。カメラはログデータを常時取り込むため、途中退室なども判別可能。遅刻者や早退者への対応も含めて利活用を検討する。実習授業で学生が校外にいる場合でも携帯電話などから出席登録が可能。出欠席データは教員の業務システムに反映する。

多教室での利用に向けては顔認証システムの負荷軽減が課題だったが、専用のソリューションを開発し負荷軽減を見込む。

日刊工業新聞 2024年05月28日

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