日本工大が生理休養制度を試行、女子学生学びやすく
日本工業大学は2024年度から女子学生のための生理休養制度「F休養」の試験運用を始めた。月経による体調不良で授業に出席することが難しい学生を対象に、一部の科目で1セメスター(学期)2回まで証明書を発行する。学部の女子学生比率が年々増加傾向にあることから、女性が学びやすい環境を提供するのが狙い。竹内貞雄学長は「大学としては全国的に見ても先進的な取り組み」としており、24年度の試行結果を検証して本格導入を目指す。
「F休養」は申請する学生が大学の健康管理センターで生理管理アプリケーションの確認や聞き取りなどを受けてセンターが証明書を発行。欠席理由書か欠席届と一緒に担当教員や事務室に提出する。
欠席後の対応は教員の判断となるが、F休養を取得した学生に対して補習を行うなど、授業内容を十分に理解できるよう配慮する。月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)など月経前の症状は対象外だが、合理的配慮の申請などについて健康管理センターが相談を受ける。
F休養は基礎英語や数学、物理など共通教育学群(教養分野)の「クォータ科目」とよばれる主に1年生向け授業のほとんどが対象となる。1年を4期に分けた週2回プログラムのため、1週休むと2回欠席になってしまうことから、同科目から試行を始めた。
日本工大の24年4月時点の学部生(1―4年)は3717人で女子は346人。23年9月から10月にかけて女子学生にアンケートを実施したところ、79・7%が生理(月経)で授業を欠席したいと思ったことがあると回答。33・1%が生理で実際に授業を欠席したと答えた。また77・4%の学生が生理(月経)休暇の導入を希望すると回答した。
アンケートを受けて健康管理センターや教務課、学生支援課、総務課、入試課など全学的に検討して、今回のF休養の試験運用を始めた。