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施工→解体のCO2最大40%削減…日建設計がプロトタイプ開発、次世代超高層ビルの全容

施工→解体のCO2最大40%削減…日建設計がプロトタイプ開発、次世代超高層ビルの全容

超高層ビルのプロトタイプの全体イメージ

日建設計は建物の施工から解体までに排出される二酸化炭素(CO2)を最大で40%削減できる次世代の超高層ビルのプロトタイプを開発した。従来の大規模オフィスで一般的だったさまざまな基準を見直し、必要な機能を見極めた上で構造・設備の合理化を徹底した。今後はクライアントと協調しながら社会実装を目指す。

従来型オフィスは、広い無柱空間の実現を目的とする耐震部材の集中配置に伴い大量の鉄骨材が必要となる。開発したプロトタイプでは、柱と耐震部材を構造上合理的な位置に配置してビルの骨組みを最適化するとともに、外周部を木造とした。このため使用する鉄骨量が減り、新築時のCO2排出量を大幅に削減できる。

設備計画では環境性能を重視。動脈と静脈が熱交換を行い体温の低下を防ぐ生物の身体組成「ワンダーネット」に着想を得た冷暖熱回収システムや、発汗による体温調節機能に着想を得た空調の高顕熱運転と水噴霧システムなど、生物の仕組みを模したバイオミミクリー・デザインを取り入れた。

これによりオフィスの省エネルギー化を徹底し、建物の省エネルギー性能を示す指標「BEI値」で0・23を達成した。

日刊工業新聞 2024年05月21日

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