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日野自動車の通期見通し…当期損益未定、潜在債務算定できず

日野自動車が25日発表した2025年3月期連結業績予想は当期損益を未定とした。エンジン認証不正に関する米国当局の調査などで潜在債務を算定できないため。24年3月期連結決算では当期損益が170億円の黒字(前期は1176億円の赤字)と4期ぶりに黒字転換したが、同社はカナダや豪州でも集団訴訟を抱える。先行きの不透明さは三菱ふそうトラック・バスとの経営統合計画にも影響しそうだ。

単位億円、増減率%、下段通期見通し、▼は赤字・マイナス。配当がある場合の上段カッコ内は前の期の実績、下段通期見通し

24年3月期は一部車種の出荷再開などで増収となったが、材料の高騰が響き営業赤字。顧客・仕入れ先への補償や集団訴訟和解金などで特別損失を計上した一方、固定資産売却益の計上などにより当期黒字を確保した。

25年3月期の世界販売台数は前期比3800台増の13万4000台に設定。

主力のアジアが低調な一方、日本で出荷再開した大型トラックを拡販する。

小木曽聡社長は三菱ふそうとの経営統合の見通しについて「合理的な判断材料がないと難しいと思う。当局への説明・対応をひたすら続ける」とした。

日刊工業新聞 2024年04月26日

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