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太陽誘電が110億円投資、韓国でMLCC増産の狙い

太陽誘電が110億円投資、韓国でMLCC増産の狙い

韓国慶南太陽誘電が主に手がけている高信頼性MLCC

太陽誘電の韓国製造子会社である韓国慶南太陽誘電(慶尚南道泗川市)は、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産能力を引き上げる。中長期的には1000億ウォン(約110億円)を投じ、生産設備を増強する計画。自動車やサーバーを含む情報インフラ、産業機器向けのMLCCへの需要が増えることを見据え、投資に踏み切る。工場の生産能力は非公表だが、太陽誘電は全世界でのMLCCの生産能力を年間10―15%伸ばす方針を掲げる。

将来的なMLCCに対する需要の拡大に備えるほか、世界的なサプライチェーン(供給網)を強化する狙いもあり、韓国拠点での生産能力増強が必要だと判断した。需要動向に合わせて投資判断を行うという。

韓国慶南太陽誘電は車や情報インフラ、産業機器などに搭載する比較的大型で信頼性が高いMLCCを生産している。現在、工場の建て替えのほか、製造棟や倉庫を含む複数の建屋の増築を行っており、2024年度にも完成する見通し。新たに設備も導入し、生産能力を高める。これに伴い従業員を839人(23年3月末時点)から増員し、中長期的には100人程度の新規雇用を計画する。

太陽誘電は韓国のほか日本、中国、マレーシアでMLCCを生産している。これまでも中国・常州市に新工場を建設したほか、マレーシア・サラワク州でも新工場を完成させ、MLCCの生産能力を高めてきた。

MLCCはスマートフォン、ノートパソコン(PC)、電気自動車(EV)など幅広い分野で使われている。太陽誘電のほかにも村田製作所やTDK、京セラなどもMLCCの生産能力の拡大を図っている。


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日刊工業新聞 2024年04月18日

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