福岡PayPayドームの座席、ARで高精度に案内…ソフトバンクが実証成功
ソフトバンクは8日、福岡PayPayドーム(福岡市中央区)のスマートスタジアム化に向けたマルチセンサーやマルチネットワークの実証実験に成功したと発表した。スタジアムやアリーナで、拡張現実(AR)による座席までの高精度な経路案内や、来場者のスマートフォンなどに応援コンテンツを一斉表示するといった観戦体験を提供できる。
実証では3、4日に開催したプロ野球、福岡ソフトバンクホークスのホーム開幕戦で同ドームの通路に複数のパネルと、低消費電力の近距離無線通信「ブルートゥース・ロー・エナジー(BLE)」を用いたビーコンを設置。ARアプリケーションを搭載済みのスマホを有線で接続した中国・エックスリアルのARグラスを参加者が装着して実施した。
参加者がパネルに近づくとBLEビーコンからの信号で位置情報を測定。カメラからの画像情報を通して機器の位置や向きを測定するバーチャル・ポジショニングシステムを用い、ARグラスを通してパネルを認識することで、より精度の高い位置情報を測定した。
測定した位置情報に基づき、パネルの球団マスコットがARで現れ、参加者がハイタッチすると、観戦席までの経路がARグラスに表示される。通路に設置した複数のパネルで同様に表示される道順に従って進むことで目的地に到着できる。
日刊工業新聞 2024年04月09日