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日産、「リーフ」の電池を1年で日本製に切り替え。国内工場にライン新設

米国製と天秤にかける。韓国LGとのコスト競争激しく
日産、「リーフ」の電池を1年で日本製に切り替え。国内工場にライン新設

今夏にも日本製電池に切り替える「リーフ」

 日産自動車は今夏にも、日本向け電気自動車(EV)「リーフ」のリチウムイオン電池の生産を米国製から日本製に切り替える。これに伴い、国内工場に25億円を投じ生産ラインを改造する。部材の価格競争力や納期などでメリットがでると判断、新モデルの発売から1年足らずという短期間で調達先を変える。グローバルで調達ルートを最適化し、全体の競争力を高める。

 日本向けリーフは航続距離228キロメートル仕様と、2015年末に追加した同280キロメートル仕様がある。同280キロメートル仕様の電池は日産の米スマーナ工場で電池セルを生産し、モジュールにしてから、追浜工場(神奈川県横須賀市)でパックにして車両に組み付けている。

 今後、日本向けリーフの電池生産は、日産とNECの共同出資会社であるオートモーティブエナジーサプライ(同座間市、AESC)が一貫して担う。電池の基本仕様は変わらない。
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日刊工業新聞2016年3月28日1面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
発売から約1年で基幹部品の調達先を変更するのは珍しいが、日産幹部は「切り替えは当初からの予定通り」という。背景には韓国LGとの受注競争の激しさがある。日産もすでに航続距離を伸ばすため、米国で生産する電池の「正極」は韓国LG製を採用している。日産は、日本で航続距離を伸ばした仕様のリーフを追加設定する際、電池の調達先を絞り込むのに、韓国LG製の正極を採用する米国工場製とAESC製をてんびんにかけた。AESCが生産する電池の部材サプライヤーは9割が日本メーカー。AESCが自前の調達網から、LG製に匹敵する高性能かつ低コストな正極を調達できるかどうかが焦点になった模様だ。

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