日本製紙が豪で220人削減…経営効率化、早期黒字に
日本製紙は豪州子会社オパール(ビクトリア州)の事業を見直し、年内に豪州のホワイトカラーの約18%にあたる約220人を削減する。これにより年30億円程度(約3000万豪ドル)の合理化効果を引き出す。オパールは日本製紙が中長期の成長の柱とする「生活関連」のコア事業。現地では印刷・情報用紙事業からの撤退後、段ボール原紙から加工まで一貫化を進めており、効率化経営でオパール事業の早期黒字化を下支えする。
ホワイトカラーは管理職を含む営業、事務、技術職。削減する約220人のうち4月末までに約170人、年末までに残る約50人が退職する。希望退職ではなく、対象者の現職務が終了するのに伴う。当該の費用などは非公表としている。
オパールはメアリーベール工場(ビクトリア州)の印刷・情報用紙事業からの撤退に伴い、今後成長を見込む段ボール一貫生産へとシフトを急いでいる。
印刷用紙などの事業撤退は主原材料のユーカリ材の調達先が環境保護団体との裁判で敗れて供給が途絶え、需要の先細りも見込まれるため。ただ今回の約220人の合理化は同事業撤退との関連性はなく、段ボール原紙市況などが厳しい中で「20年の豪事業の再編以降、余剰気味だったホワイトカラーの人員を削減する」(日本製紙)と説明。オパールは追加の経費削減策も検討する。
日刊工業新聞 2024年03月29日