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出光が国内初、ナフサ分解炉でアンモニア燃焼

実証試験を実施
出光が国内初、ナフサ分解炉でアンモニア燃焼

2月に完成したアンモニアの中間供給設備

出光興産は徳山事業所(山口県周南市)の商業用ナフサ分解炉で、アンモニアを燃料として使用する実証試験を実施した。ナフサを高温で分解し、石油化学製品の基礎原料となるエチレンやプロピレンなどを製造するナフサ分解炉でのアンモニアの燃焼は国内初。既存の燃料の2割超をアンモニアに切り替えて操業し、アンモニア燃焼が可能であることを確認した。

燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニアは、エネルギーキャリアや発電・工業ボイラー用の燃料として注目されている。ただ化石燃料と比べて発熱量が低く、着火性も悪いことから燃焼性に劣るといわれる。燃焼時に生じる窒素酸化物を抑える必要があるほか、操業中の大規模プラントでの燃焼はリスクがあるとされてきた。

これに対し、燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減させるための脱硝設備を装備していないナフサ分解炉で実証。アンモニア専用バーナーの採用や燃焼制御により、窒素酸化物が環境規制値以下であることを確認した。また化石燃料と遜色ない燃焼性を確認するとともに、操業への影響もないことが確認できた。

日刊工業新聞 2024年03月25日

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