導入コストは建築費の1%以下、飛島建設が小型・軽量の制震ダンパー
飛島建設は鉄筋コンクリート造(RC)の建築物向けに、小型で軽量な制震ダンパー「I2RUD(アイラッド)」を開発した。変形量である変位に応じてエネルギーを吸収する履歴型ダンパーで、地震の最大応答変形(揺れ)を10%程度低減可能。構成部材がシンプルで建築費の1%以下のコストで導入でき、繰り返し性能に優れるなどの利点を訴求し、同製品を採用した工法を広く提案していく。
I2RUDは、U形に曲げ加工したダンパー材を上下の拘束プレートで挟み、ボルト接合した簡易な構成。材料には、靱性(じんせい)や繰り返し性能に優れるFMS合金を使用している。ダンパー材の中央部分には切り込み加工を施しており、曲げ加工時の残留歪みが小さくなり繰り返し性能を一層向上させた。
RC壁の水平スリット部に設置。地震が発生した場合、建物の揺れがダンパーにせん断変位として伝達され、上下間の拘束プレート間のダンパー材が転がるように変形することで、建物の応答変形(揺れ)を低減する。
長さ500ミリ×高さ76ミリか96ミリ×幅88ミリか108ミリメートルと小型で、重量は約20キログラム。人手で運搬でき、設置工事が容易となる。
日刊工業新聞 2024年02月21日