製造業IoTに新機能、作業者動態見える化で分かること
インテックが投入
設備状況をAI画像解析
インテック(富山市、北岡隆之社長)は、IoT(モノのインターネット)で製造現場の状況を把握できるクラウドサービス「課題解決特化型IoTサービス」に作業員や設備の稼働状況を可視化する新機能を追加し、14日に提供を始める。カメラや人工知能(AI)解析を使って無理や無駄、ムラを発見。生産性向上につなげる。中堅・中小の製造業を中心に提案する。価格は個別見積もり。2026年度単年で同サービスを80社に導入し、年間売上高2億円を目指す。
新機能「作業者動態見える化テンプレート」は、工場の製造ラインに設置するカメラにより設備と作業員の動きを自動で取得。AIを活用し、画像から作業や設備の状況を解析する。解析結果は、事前に登録した作業内容や作業計画とひも付けてダッシュボードやガントチャート(工程管理表)で可視化。スマートフォンやパソコンからウェブアプリケーションを通じて確認できる。
利用企業は、設備が停止しているのに作業員が近くにおらず対応できていないなど即時性の高い課題に気付きやすくなる。朝は設備や人の稼働が激しいが夜は少ないといった状況を把握することで中長期的な作業計画の改善にも活用できる。
設備の稼働状況はシグナルタワーの点灯状況から確認できるほか、温度・電流センサーを活用するなど現場に合わせた対応が可能。カメラはインテックが用意し、取り付け場所の選定などは顧客と共同で行う。
同機能の開発に当たり、精密加工部品メーカーのユタカ(松山市)と実証実験を行った。利用者からは「客観的に分析したデータを提示されたことで現場も納得感があった」などの声が上がったという。
日刊工業新聞 2024年02月14日